<実現しました! もしもの時に役立つ社会保障制度の授業>
すべての生徒が中学卒業前に社会保障制度を学ぶ機会をつくってほしい。
12月議会で求めていた件について、市教委から、うれしい報告がありました。
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ある中学校で、卒業していく生徒たちに社会保障制度を学ぶ出前授業を実践し、それを他の中学校でも活用できるよう教材化したという報告です。
議会でこの質問を取り上げた背景には、
コロナ禍で若年層自殺増加が問題となっていること、
かろうじて支援団体につながった若者も、所持金がわずか皆無で、心も身体も厳しい状況に追い込まれていると伺っていたこと、
そして、「子どもの権利ソーシャルワーカー講座」で講師をしていただいた横山北斗さんが、『15歳からの社会保障』という本を出版されたことがありました。
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質問の要旨を伝えた時には、職員の反応は、素っ気ないものでした。
社会保障制度は公民の授業で行っていて、市のホームページも紹介しています、と。
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「いえいえ、それだけでは人生のピンチの時に活かせないんです。高校進学しない人、高校を中退する人もいます。社会保障制度を学ぶ機会は中3しかないんです。急に解雇された、望まぬ妊娠をした、職場でパワハラを受けた………、具体的な事例を想定して、自分ごととして考え、いざという時、思い出せるよう、授業を行ってほしいんです!}
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そう、訴えました。
日本は、憲法で生存権が保障されています。
社会保障制度もあります。
でも、救えない命や支援にたどり着かない場合がある。
コロナ禍でそれがハッキリしました。
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社会保障制度には問題点があります。
それは、申請主義であることです。
利用できる制度があることを知っていて、その手続きができることを前提としています。
ソーシャルワーカーも、どこに困っている人がいるかわからない。
自分からSOSを出せることが重要です。
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「人生の苦境に立たされて、精神的にもキツイ時、思い出せるような生きた知識にする必要があるんです。ひとりで悩み、追い込まれて最悪の選択をしてしまわないためにも、中学3年生ですべての生徒が社会保障制度を学び、その体験が自分や友人を救う機会を持つような授業を行ってほしいんです。」
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授業は、タブレットを活用したもので、具体的な事例についてグループで自分事として考え、社会保障制度の知識を深めていくもので、教材は、生徒たちのもつ背景など、受け持つクラスの状況に合わせて発展させていけるよう、工夫されていました。
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生徒たちの授業後の感想からは、この授業が生きた知識として根づいたことを伺うことができました。私の思いを受け止めていただき、教材としてくださったことに感謝です。
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あとは、現場の先生方にその必要性を理解していただき、市内すべての中学校で授業を行っていただけるよう願います。
セーフティネットにつながるべきなのに、つながれない人たちがいます。
情報を集められない、
読み書きが難しい、
どんな制度があるか知らない、
申請に必要な書類を集めることができない、
自分の困りごとがうまく説明できない。
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背景には、経済的貧困、多忙、障害、疾病、言語の問題などが潜んでいます。
義務教育の間に、社会に出た時、活きる知識と体験を子どもたちには学んでほしい。
これからも提案を続けていきたいと思います。